夢を覚えておく方法: 夢を思い出しやすくなる5つのステップ
著者:Ruya Editorial2026年8月8日土曜日読了時間:約9分

夢を覚えておく方法: 夢を思い出せるようになる5つのステップ

人は毎晩、覚えているかどうかに関係なく、およそ2時間は夢を見ています。目が覚めたときにぼんやりした感覚だけが残っていても、それは夢を見なかったわけではありません。夢を記録する前に記憶が消えてしまっただけです。うれしいことに、夢を覚えておく力は後から伸ばせるスキルで、比較的短期間で上達しやすいものです。このガイドで紹介する5つのステップを続けると、多くの人は1~2週間ほどで変化を実感します。この記事では、なぜ脳は夢を忘れてしまうのか、研究で効果が示されている方法(意外なビタミンB6の研究も含みます)、そして今はまったく夢を思い出せない人が何から始めればよいかも紹介します。

夢を忘れてしまう理由

夢を忘れるのは記憶力が悪いからではなく、夢を見ているときの脳の仕組みによるものです。鮮明な夢の多くを見るREM睡眠中は、普段なら体験を長期記憶として定着させる脳内の働きが大きく抑えられています。そのため夢は短期的な記憶に近い形で保持され、目覚めてから数分のうちに記憶の跡が薄れていきます。体を動かしたり、その日の予定を考えたり、スマートフォンを手に取ったりすると、新しい情報に上書きされてしまうのです。

夢を思い出しやすさには個人差もあります。フランスの脳画像研究では、週に5回前後夢を思い出す人は、ほとんど思い出せない人に比べて、物事に気づく働きに関わる側頭頭頂接合部の活動が高いことがわかりました。また、夢をよく思い出す人は夜中に短時間目覚める回数も多く、そのぶん夢を記憶に残す機会が増えます。ただし、これらは変えられないものではありません。夢を覚えておく力は習慣によって伸ばせるものであり、この5つのステップはその習慣づくりを目的としています。

解釈されない夢は、読まれない手紙のようなものだ。

The Talmud, Berakhot 55a

夢を読み解くには、まず覚えておくことが大切です。その方法を見ていきましょう。

1. 動かずに夢をたどる

目覚めてから最初の30秒が、夢を覚えていられるかどうかを左右します。この瞬間は記憶が最も消えやすいため、最初のステップは体を動かす前に行います。

  1. 目を閉じたまま、目覚めたときと同じ姿勢を保ちましょう。寝姿勢は夢を思い出す手がかりになることがあり、寝返りを打つと夢まで消えてしまうことがあります。
  2. 静かに「さっき何が起きていたっけ?」と自分に問いかけましょう。無理に思い出そうとせず、自然に浮かんでくるのを待ちます。
  3. 最後の場面から動画を巻き戻すように逆向きにたどり、ひとつ前の場面へ、さらにその前へと記憶をつないでいきましょう。
  4. 映像が浮かばないときは、まず感情を思い出してみましょう。不安、うれしさ、焦りなどの気分も立派な手がかりで、そこから場面がよみがえることはよくあります。
  5. 思い出せたら、ほかのことをする前に夢日記を手に取り、すぐに書き留めましょう。
目覚めて夢を思い出す

2. 手の届く場所に夢日記を置く

夢日記は、ただ記録を残すためのものではありません。書き留めること自体が、夢を覚えやすくするトレーニングになります。夢を書き残す習慣を続けると、「夢は大切な情報だ」と脳が少しずつ学び、夢を思い出せるようになっていきます。ノートでもスマートフォンでも構いません。起き上がらずに手が届く場所に置いて、毎朝必ず何かを書きましょう。正直に「何も覚えていない」と書くだけでも大丈夫です。断片的な記憶でも十分意味があります。夢ごとに、次の内容を記録してみてください。

  • 何が起きたか: 思い出せる場面や登場人物、場所を、順番は気にせず書き出しましょう。
  • どんな気持ちだったか: 夢の中で感じた感情を書きましょう。ストーリーよりも印象的で、思い出しやすいことがよくあります。
  • 不思議だったこと: 現実にはありえない家、乗り遅れた電車、本来いるはずのない人物などを書き留めましょう。何週間か続けると繰り返し現れるパターンが見えてきて、自分だけの夢のサインになります。
  • 短いタイトル: 「水浸しのキッチン」のようにタイトルを付けると記憶に残りやすくなり、あとで見返したときにパターンにも気づきやすくなります。
夢を記録する

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どこにいても夢を記録して、より深い気づきを見つけましょう。

3. 夢を思い出したいなら、眠りを大切にする

夢を思い出すには、まず思い出せるだけの豊かな夢を見ることが大切です。そのためにはREM睡眠をしっかり確保しましょう。REM睡眠は夜が更けるほど長くなるため、7〜9時間眠った場合は最後の3分の1に鮮明な夢が集中します。睡眠時間を削ると、まさに思い出したい夢の時間帯を失ってしまいます。毎日できるだけ同じ時間に寝起きすると睡眠リズムが整い、寝室を暗く、静かで、少し涼しく保つといった基本も効果的です。また、REM睡眠を減らしやすい代表的なものとして、アルコールと大麻があります。多く摂取した翌朝に夢を覚えていないことが多いのはそのためで、使用をやめると反動で鮮明な夢を見ることがあります。さらに、眠りにつく前に「明日の朝は夢を覚えている」と心の中で決めてみましょう。一見単純に思えますが、このような意図を持つことは将来の行動を思い出す記憶の働きを助け、目覚めた直後に夢へ意識を向けやすくすることが研究でも示されています。

夢を見やすい寝室環境を整える

4. やさしく目覚める工夫をする

夢を思い出せるかどうかは、眠り方だけでなく目覚め方にも左右されます。REM睡眠の終わり頃や夢の途中、あるいは夢を見終えた直後に自然に目覚めると、夢を思い出しやすくなります。休日の朝に寝坊した日に夢をよく覚えているのは、このためです。睡眠は約90〜110分の周期で繰り返されるため、できるだけ周期の区切りに合わせて眠れるようにすると、深い眠りではなくREM睡眠から目覚める可能性が高まります。目覚ましが必要なら、急に大音量で鳴るものより、少しずつ明るくなるライトや徐々に音量が上がるやさしいアラームがおすすめです。夢の記憶が消えにくくなります。また、夜中に夢の途中で目が覚めたら、「朝まで覚えているはず」と思わないことです。キーワードを3つだけ書き留めてからもう一度眠れば、朝にはそのメモをきっかけに夢全体を思い出しやすくなります。

自然な目覚めを活用する

5. 振り返って、意味を考え、続ける

記憶は、繰り返し使うことで定着します。朝に書いた夢日記を1分ほど見返したり、誰かに話したり、夢の意味を考えてみたりしましょう。「この夢は何を伝えているのだろう」「昨日の出来事と関係があるだろうか」と考えることで記憶がより深く定着し、夢は大切なものだと脳に伝わるため、翌週以降も夢を思い出しやすくなります。また、夢日記は単なる記録ではありません。数週間続けると、繰り返し登場する場所や人物、テーマなど、一つひとつの夢だけでは気づけない共通点が見えてきます。Ruyaでは、この夢日記をもとにそのまま夢の解釈も行えます。日記以上の意味を感じる夢があれば、心理学からスピリチュアル、宗教的な伝統まで、自分に合った視点で深く読み解くことができます。

夢を振り返って理解を深める

夢を覚えやすくする習慣・忘れやすくする習慣

習慣影響理由
大きな音で急に鳴るアラームマイナス驚いて目覚めると、思い返す前に壊れやすい夢の記憶が消えやすくなる
起きてすぐスマホを見るマイナス新しい情報が入ることで、まだ短期記憶にある夢の内容が上書きされてしまう
夕方以降の飲酒や大麻の使用マイナスどちらもREM睡眠を抑えるため、覚えていられる夢そのものが少なくなる
睡眠時間が短いマイナスREM睡眠が多い睡眠後半は、早起きで真っ先に削られやすい
朝に夢日記をつける(断片だけでもOK)プラス毎日記録することで、脳が夢を残す価値のある記憶として扱うようになる
寝る前に「夢を覚えておこう」と意識するプラス将来の行動を覚えておく記憶が働き、目覚めたとき最初に夢を思い出しやすくなる
目覚めたら目を閉じたまま動かないプラス体勢や静止した状態が、消えかけた夢の記憶を思い出す手がかりになる
就寝前のビタミンB6効果がある可能性無作為化試験でプラセボより夢を覚えやすくなったという報告がある。詳しくは下記

ビタミンB6は本当に夢を覚えやすくする?

サプリメントに関しては、興味深い研究結果がひとつあります。100人を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照試験では、就寝直前に240mgのビタミンB6を5日間摂取した人は、プラセボ群より夢を覚えている割合が高くなりました。一方で、夢の鮮明さや奇妙さ、睡眠の質には変化がありませんでした。ただし、これは短期間の単独研究であり、240mgという量は通常の食事から摂る量を大きく上回ります。毎晩続ける習慣というより、医師に相談する価値のある研究結果として考えるのがよいでしょう。研究者自身も、まずはビタミンB6を多く含む食品(魚、ひよこ豆、バナナ、じゃがいも)を食事に取り入れることを勧めています。夢を覚えやすくする基本は、やはり上で紹介した5つの行動です。ビタミンB6は、あくまで補助的な選択肢と考えてください。

まったく夢を覚えていないのはなぜ?

朝になると夢をまったく思い出せなくても、夢を見ていないわけではありません。睡眠研究では、「自分は夢を見ない」と言う人でも、REM睡眠中に起こすと夢の内容を話せることが確認されています。夢を覚えている頻度には個人差があり、週に何度も思い出す人もいれば、ほとんど覚えていない人もいます。その違いには脳の特徴も関係しています。夢を覚えにくくする要因としては、慢性的な睡眠不足、驚くようなアラームでの目覚め、そしてREM睡眠を抑える一部の薬、特に多くの抗うつ薬などがあります。以前は夢を覚えていたのに突然思い出せなくなった場合は、睡眠の質を見直す価値があります。それ以外であれば、朝に何も思い出せないこと自体は健康上の問題ではありません。夢を覚えるのは練習できるスキルであり、上で紹介した5つの方法を続ければ、多くの人が2週間ほどで変化を感じ始めます。


今夜から始めよう

夢を覚えることは、夢の世界を楽しむための第一歩です。夢占いや夢の解釈には夢の内容が必要ですし、明晰夢を目指すなら最初に身につけたい習慣でもあります。始めることはとてもシンプルです。眠る前に「夢を覚えよう」と意識し、目覚めたら動かずに夢を思い返し、覚えていることをすぐ書き留めましょう。Ruyaなら無料の夢日記機能と朝のリマインダーで記録を手軽に続けられます。日記だけでは物足りない夢は、ワンタップで夢の解釈も利用できます。2週間後には、朝に夢を思い出せない日がきっと減っているはずです。

夢を覚えることについてよくある質問

どうして夢はすぐ忘れてしまうの?
REM睡眠中は、体験を長期記憶として保存する脳の働きが弱まっているため、夢は壊れやすい短期記憶として保持されています。目覚めて数分のうちに薄れ始め、体を動かしたり、その日の予定を考えたり、スマホを見たりすると上書きされやすくなります。目覚めたら動かず、何より先に夢を思い返すことが効果的です。
もう忘れてしまった夢を思い出すことはできますか?
できることもあります。目覚めたときと同じ姿勢で横になり、目を閉じてリラックスし、夢の余韻をたどってみてください。場面がふっと戻ってくることがあります。また、その日の後で場所や言葉、人の顔などがきっかけとなって断片を思い出すこともあります。ただし確実ではないため、起きたらすぐ記録することが何より大切です。
誰でも毎晩夢を見ているのですか?
はい。健康な人は一晩の間に何度もREM睡眠を繰り返し、合計でおよそ2時間夢を見ていると考えられています。覚えているかどうかは別問題です。睡眠実験では、「夢を見ない」と言う人でもREM睡眠中に起こすと夢の内容を報告できます。違いは夢を見ることではなく、夢を覚えているかどうかです。
夢をまったく覚えていなくても問題ありませんか?
問題ありません。夢を覚えにくいことは珍しくなく、正常な範囲に含まれます。健康状態が悪いことを意味するわけではありません。ただし、急に夢を思い出せなくなり睡眠の質も悪化した場合や、薬を変更した時期と重なる場合は確認する価値があります。たとえば、多くの抗うつ薬はREM睡眠を抑えます。それ以外であれば、夢を覚える練習がまだ十分でないだけです。
ビタミンB6で夢を覚えやすくなりますか?
無作為化プラセボ対照試験では、就寝前に240mgのビタミンB6を5日間摂取した人は、睡眠や夢の鮮明さに影響を与えず、夢を覚えやすくなりました。ただし、高用量を用いた短期間の単独研究なので、サプリメントを始める前には医師へ相談してください。毎日の方法としては、ビタミンB6を多く含む食事のほうが安心です。
夢を覚えられるようになるまで、どれくらいかかりますか?
多くのスキルより早く上達します。毎晩「夢を覚えよう」と意識し、起きたら動かず、毎朝夢日記をつける習慣を続けると、多くの人は1〜2週間ではっきりした変化を感じます。夢日記を続けるほど、脳は夢を残す価値のある記憶として扱うようになり、さらに覚えやすくなります。
夜中に急に目が覚めたときだけ夢を覚えているのはなぜですか?
夜中の目覚めはREM睡眠中やその直後に起こることが多く、夢を見ている最中なので内容を覚えたまま目覚めやすくなります。一方で、朝のアラームはより深い睡眠段階で鳴ることもあります。夜中に目が覚めたら、キーワードを3つだけメモして再び眠りましょう。そのメモが朝に夢全体を思い出す手がかりになります。
夢日記アプリは本当に夢を覚えるのに役立ちますか?
はい。最も効果的な習慣である「毎朝記録すること」を続けやすくしてくれるからです。Ruyaの無料夢日記はベッドサイドのスマートフォンですぐ使え、朝のリマインダーも送ってくれます。記録は時間とともに検索できるパターンとして蓄積され、さらに詳しく知りたいときは、選んだ視点から夢を解釈できます。

この記事はもともと英語で執筆されました。 原文を読む

参考文献

  1. 1. Effects of Vitamin B6 (Pyridoxine) and a B Complex Preparation on Dreaming and Sleep
    著者:Aspy, D. J., Madden, N. A., & Delfabbro, P.年:2018出版社/学術誌:Perceptual and Motor Skills巻:125号:3
  2. 2. Resting Brain Activity Varies with Dream Recall Frequency Between Subjects
    著者:Eichenlaub, J. B., Nicolas, A., Daltrozzo, J., Redouté, J., Costes, N., & Ruby, P.年:2014出版社/学術誌:Neuropsychopharmacology巻:39号:7
  3. 3. Why We Sleep: Unlocking the Power of Sleep and Dreams
    著者:Walker, Matthew年:2017出版社/学術誌:Scribner
  4. 4. Exploring the World of Lucid Dreaming
    著者:LaBerge, S., & Rheingold, H.年:1991出版社/学術誌:Ballantine Books
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